PaLaNA Initiative(パラナ・イニシアティブ)とは、Pathology Laboratory New Architecture (PaLaNA) Initiativeの略で、これから先の新しい病理検査室の在り方や病理診断の在り方を率先して設計、構築したいとの思いから立ち上げた一般社団法人です。英語のスペルは違いますが、パラナ松という樹の種類があります。一本の幹が真直に、すくっと立ち上がり、上の方で枝が四方八方に広がり出て、その尖端に房状に松の葉が塊をなし毬を作るように広がっています。この法人で行う事業の一つである「遠隔病理診断ネットワーク」の設立・普及事業を象徴しているように感じられることもあって、好ましく感じています。因みに、ホームページの最初の写真がこのパラナ松です。浜松市緑化推進センターのご厚意によって提供されたものであることを明記しておきたいと思います。
当法人では、現代医療に適応する正確で利用価値の高い病理診断や情報を迅速に提供することを目的とし、その目的を果たすために以下の事業を行うことにしています。
1.遠隔病理診断ネットワーク事業の構築及び運営維持
2.遠隔病理診断ネットワーク事業のための病理医、病理診断の斡旋
3.病理医の教育・育成支援事業
4.病理臨床検査技師の教育・育成支援事業
5.病理検査・診断機器の開発やその利用及び普及への支援事業
6.デジタル病理画像の保管サービス
など、です。
これらの事業を実りあるものにするためには、医療界、病理界、産業界と行政が共に協力し合い、技術開発やシステムの構築と連結、関与する人材の育成を計っていく必要があります。それによって、最終目標である医療の効率化、より良い患者サービスを提供していくことのできるシステムが構築できると思っています。言い換えれば、この法人は、機器やシステムの製造・提供者と医療サービス需要者、医療サービス提供者の三者による価値共創(コ・クリエーション)を目指し、連結を仲介するのが役割です。当法人ではこの三者が連携して活動できる仕組みや環境を提供したいと考えています。
そして、機器と機器の連結、遠隔医療、遠隔病理診断などのデジタル化、通信技術を使用した点と点を結ぶ線の形式から多くの点を連結する複合的ネットワーク形式への転換を図り、機器と機器をどう繋ぐか(物理的ネットワークの形成)、人と人とをどう繋ぐか(人的ネットワーク)、そしてネットワーク全体としてどう機能させるかを考え、そのシステムを構築していきたい。
しかし、そこには、どうしても人の関与が不可欠な部分があり、機械に何をさせるか、人にどのような役割を持たせるのかの方針がしっかり見極められていなければなりませんし、参加する人を育成していく方策も必要です。これら全体を通して、病理業務の円滑化がなされ、医療の発展、差し迫ったいわゆる2025年問題に対処できる体制作りに貢献できればと思っています。
協力頂ける方々には、是非、賛助会員、利用会員としてご参加いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
代表理事
真鍋 俊明