教育コース

はじめに

最近、再び医療の迅速性、安全性、質の向上が叫ばれています。安全で質の高い外科手術を行うためには、術中に行う迅速病理診断が必要です。今まで、病理医のいない病院では、この術中迅速病理診断ができませんでした。どこまで切除すればよいかも分からず手術することも多かったのです。この迅速診断が、病理医のいない病院でも行えるようになったのです。臨床検査技師が技術を学び病理検査技師として働けば、遠隔病理診断の技術を用いて、遠く離れた病院の病理医に即時に診て貰うことができます。検体を搬送する必要はありません。時代の変化。技術の進歩です。これにより、多くの患者が安心、安全な手術を受けることができる時代となったのです。今、このような標本作製技術を持った検査技師が待ち望まれています。この要望に沿って、平成26年度から日本病理学会の支援・協力のもと日本臨床衛生検査技師会において認定病理技師制度が発足し認定病理検査技師が誕生することとなりました。しかし、なかなか技術を習得する場がないのが現状です。

我々PaLaNA Initiativeでは、このホームページ上での “ 臓器別切り出しマニュアル ” の提供の他、毎年、認定病理検査技師を目指す技師のための “ 病理技術向上講座 ” 、そして細胞検査技師の技術向上のための “ びわ湖細胞病理テュートリアル ” を開催し、病理検査技師教育に貢献して行きます。

また、教育コースには、病理検査技師、細胞検査士を対象とするもの以外にも皮膚病理の基礎を学びたい病理医や皮膚科医を対象としたコースもあります。どうぞ、ご参加下さい。

教育コース案内

病理診断研修Ⅰ皮膚病理 基礎編コース

皮膚病理の基礎と皮膚病理診断の基本的な考え方を学びます。
対象:若手病理医および皮膚科医(若干名)
方法:
① テーマに応じて準備した標本を研修者自らが検鏡観察し、その後指導医と一緒に対話形式での教育がなされる。
② 研修者自らが準備した症例を指導医と一緒に検鏡しながら教育を受ける。
指導医:真鍋 俊明
期間、開催日:相談の上決定

病理診断研修Ⅰ皮膚病理 ウェビナーコース

現在準備中

開催考慮中のコース

第7回びわ湖細胞病理テュートリアル(2019年度)
細胞診断技術および標本作製技術のための研修会

第9回病理技術向上講座(2019年度)
病理検査室の維持・管理および切り出し業務を含む病理組織標本作製技術のための研修会

第7回地域ICT利活用広域連携事業シンポジウム(2019年度)
医療情報事業の強化・広域化に努めて行くための医療関係者、医療情報関係者のための情報交換の場および研修会

教育コース詳細

組織標本作製対応コース

H-A:1日目は脱水脱脂パラフィン浸透機の試薬調整、時間設定と固定済み組織をパラフィン浸透器にセット。2日目はパラフィン浸透が終了した組織の包埋、ブロック作製、薄切、HE染色後、標本観察までの工程を経験する。両日を通して凍結組織切片の作製と、ICT機器の操作法も修得する。

H-B:臨床検査技師系専攻の大学院生や、より高度な病理技術を修得希望の臨床検査技師である。病理学講義、病院病理部での切り出し業務や写真撮影技術、解剖介助業務、病理組織標本作製技術、免疫染色法、遺伝子関連病理検査や細胞診、ICT機器の操作法等を1年を通して行う。研修場所として大学病院病理部や基幹病院病理部が選択できる。

H-C:マクロ標本の取り扱い及び観察法と、切り出し業務に必要な知識・技術を修得し、術中迅速標本の作製と永久標本の作製が可能となるよう研修する。研修場所は指定する地域の中枢病院で、当センターでの研修会、講習会等に参加する。

細胞診業務対応コース

C-A:各種検体に適切な前処置を行い、スライドグラスに塗抹、固定した後、最終工程の標本観察、結果報告するまでの過程を修得する。この過程は、細胞検査士を目指す臨床検査技師の実技としても必須である。また、免疫染色法やFISH法、ICT機器の操作法等の修得を行う。

C-B:4月開始で同年11月の細胞検査士資格認定1次試験、12月の同2次試験までの9ヶ月間、複数の講師による週一回の研修会を開催し、細胞検査士試験合格に必要な講義、標本の観察、標本の作製技術を修得する。

C-C:診断が難しい症例を抱えた病理医や細胞検査士への診断支援を行うとともに、細胞診検査全般の支援を希望する医療機関への診断支援を行う。後者の場合には病院間で契約することも可能である。コンサルテーション症例のガラス標本は、現在は人による搬送となっているが、将来的にはバーチャルスライドへの取り込みにより、ネットワークを介して迅速に症例の閲覧と結果報告が行えるよう、テレパソロジーの構築を計画中である。

病理診断研修 I 皮膚病理 基礎編コース(1〜2週間)

◦皮膚病理の基礎を学び、皮膚病理診断の基本的な考え方をマスターする。

その他の支援業務

各種学術集会の開催

◦外国人講師を交えたびわ湖細胞病理テュートリアル(平成23年9月23日、24日)を滋賀県立成人病センターにおいて開催する予定である。
◦講習会「外科病理:肉眼臓器の見方と切り出し方」を予定している。

医療機関への病理検査全般の支援

◦現在、常勤の病理医のいない医療機関から、組織・細胞診検査の診断支援依頼を受けている。

病理診断・教育支援室部門

教育コース
学会・研究会など
スタッフ