細胞診術中迅速標本作製の流れ
事前の準備
1.「術中迅速細胞診」の確認、照合
(1) 臨床医から提出される『術中細胞診依頼票』の記載内容を確認する。
依頼票は出来れば前日までに提出してもらう
(2) その日の「手術予定一覧表」と依頼票との照合。
手術室から術中迅速依頼
<依頼票と口頭内容の確認>
(1) 手術室からインターカム等で術中標本依頼の連絡が入る
手術室番号、患者名、採取法、採取部位、提出材料の確認、提出目的、個数、感染症の有無の依頼内容を確認する
(2) 検体が持参もしくはエアシューターなどで搬送されてくる。
(3) 「依頼票記載内容」・「検体の性状」・「検体容器のラベルに記載されている手術室番号・患者名・材料・採取部位・枝番・感染症」などを照合・確認する。
受付
病理細胞診番号を発番する。
(1) 依頼伝票に病理細胞診番号と手術室番号を記入する。
液状検体標本作製法(胸水、腹水、腔内洗浄液、嚢胞内容液等)
(3) ストリッヒ法や擦り合せ法、オートスメア法にて標本作製
(4) 95% エタノール固定液で湿潤固定(固定前乾燥厳禁):パパニコロウ染色用
(5) 冷風で直ちに乾燥後、メタノールもしくは既製の迅速染色用固定液で固定:迅速ギムザ染色用
迅速パパニコロウ染色
自動染色装置 の迅速パパニコロウ染色法 、もしくは各施設で設定の迅速パパニコロウ染色法で行う
(1) 固定液 → 95% アルコール → 70% アルコール → 50% アルコール → 水洗 → ヘマトキシリン液 (約1分) → 分別・微温湯による色出し (約1分) → 50% アルコール → 70% アルコール → 95% アルコール → OG6 染色液 (約1分) → 95% アルコール → EA50 染色液 (約2分) → 100% アルコール → キシレン
(染色液以外の染色系列溶液にはなじます程度)
(2) キシレンで透徹、封入し、担当医もしくは細胞検査士に提出する。
迅速ギムザ染色 (一例)
(1) MERCK Hemacolor 1、2、3の各染色液に 10~20秒浸し染色
(2) 数秒間水洗
(3) テイシュでスライドグラスを軽く水分をとる
(4) 冷風で乾燥
(5) キシレンで透徹、封入し、担当医もしくは細胞検査士に提出する。
・迅速パパニコロウ染色と迅速ギムザ染色染色は必ず併用し、染色行程は10分以内で染め上げるよう努力する
・検体受付から迅速標本作製完了まで全行程は15分以内で完了するよう努力する