細胞診特殊染色法
細胞診の代表的な染色はパパニコロウ Papanicolaou 染色とギムザ Giemsa 染色ですが、それ以外にも目的に応じて特別な染色を行うことがあります。それらは特殊染色、免疫染色といいます。
ここでは特殊染色について簡単に説明します。
目的は組織診断と同様で、細胞が持っている特定の物質を染色したり、病原微生物の検索に用いることもあります。
主な特殊染色
主な特殊染色と染まり方、目的とする染色
・PAS 反応 (PAS 染色) : 赤紫色 : グリコーゲン、中性粘液、真菌やアメーバなどの感染性微生物など
・グロコット染色 : 黒~黒褐色 : 真菌やニューモシスチス・カリニなど
・アルシアンブルー染色: 青藍色 : 酸性粘液
・ムチカルミン染色 : 赤~淡赤色 : 粘液
唾液腺腺様嚢胞癌の異染性を示す細胞像(穿刺吸引標本・ギムザ染色標本)
クリプトコッカス(真菌)(ムチカルミン染色標本 x1000)マゼンタ色の菌体の周囲に透明なゾーン(莢膜)が見られる